校歌の意味がわからないまま歌っている人のために、大村高校校歌と旧制大村中学校歌の意味を、読み解いていきます。他にも解釈法はあるでしょう。しかし、この50年以上、学校の先生方はナマケもので、校歌の意味を伝える時間を持ってこなかったそうです。そこで、一石を投じるためにこちらで、校歌の解釈をさせていただくことにしました。
1.城あと・・・玖島城
玖島城:豊臣秀吉の朝鮮出兵時、大村も参加し、小西行長の一番隊として肥前(現在の佐賀・長崎)の名護屋から朝鮮に渡り、明(みん)との戦いで活躍しました。その時、海城(うみじろ)が敵から攻めにくいことがわかり、大村は、朝鮮出兵より戻った後で、玖島に築城します。石垣は、熊本城の加藤清正のアドバイスにより設計施工されたと伝えられています。熊本城と玖島城の石垣が似ているのはそのためです。
大村は小西隊
当時の朝鮮は明の属国でした。
文禄の役で豊臣秀吉軍は、釜山上陸からわずか二十日間で首都・漢城(現在のソウル)を陥落させて、激戦にもなりませんでした。
それから、大村は、時勢を読み、徳川に付き、関ヶ原の東西決戦では東軍の徳川方で戦っています。
残念ながら、小藩であったため、本丸に天守閣の築城が徳川幕府から許可されませんでした。
2.花・・・特定の花は指していないので、玖島城に咲く花だと考えてよいでしょう。現在は、四月の桜、五月のツツジ、六月の菖蒲です。以前は、菖蒲ではなく蓮(はす)が植えられていたそうです。
作詞の福田清人先輩の作品には「花」が登場します。
一例として玖島中校歌。
望みは高き多良が嶺
南国の日の光る丘の上
花美しく大気澄む
以下略
3.かをり・・・①よいにおい。②(顔などの)つややかな美しさ。この場合、玖島城にいるだけで、立っているだけで、感じられる海のかをりだと思われる。
4.ゆかし・・・懐し
① 気品・情趣などがあり、どことなく心がひかれるようである。「―・い人柄」「古都の―・い風情」
② なつかしく感じられる。昔がしのばれるようすである。「古式―・い祭礼」
③ 好奇心がそそられる。見たい、聞きたい、知りたい、欲しいなどの気持ちを表す。
竹取物語:「五人の中に、ゆかしき物を見せ給へらむに」
∴かおりゆかしく・・・そのままいるだけで、昔がしのばれるようである。そのままいるだけで、好奇心がそそられる。
続く