大村高校の校歌を読み解く 1

日本歴史大事典(小学館発行 / カシオ電子辞書版)より 1670年 四代藩主 大村純長が開校した大村高校の前身・集義館(しゅうぎかん)

日本歴史大事典(小学館発行 / カシオ電子辞書版)より
1670年 四代藩主 大村純長が開校した大村高校の前身・集義館(しゅうぎかん)

校歌の意味がわからないまま歌っている人のために、大村高校校歌と旧制大村中学校歌の意味を、読み解いていきます。他にも解釈法はあるでしょう。しかし、この50年以上、学校の先生方はナマケもので、校歌の意味を伝える時間を持ってこなかったそうです。そこで、一石を投じるためにこちらで、校歌の解釈をさせていただくことにしました。

校歌1

1.城あと・・・玖島城

玖島城:豊臣秀吉の朝鮮出兵時、大村も参加し、小西行長の一番隊として肥前(現在の佐賀・長崎)の名護屋から朝鮮に渡り、明(みん)との戦いで活躍しました。その時、海城(うみじろ)が敵から攻めにくいことがわかり、大村は、朝鮮出兵より戻った後で、玖島に築城します。石垣は、熊本城の加藤清正のアドバイスにより設計施工されたと伝えられています。熊本城と玖島城の石垣が似ているのはそのためです。

加藤清正 公

加藤清正 公

大村は小西一番隊

当時の朝鮮は明の属国でした。
文禄の役で豊臣秀吉軍は、釜山上陸からわずか二十日間で首都・漢城(現在のソウル)を陥落させて、激戦にもなりませんでした。

img_5 引用元

小西一番隊の活躍動画
小西隊には鉄砲がありました。当時、明(みん)の属国で、遅れた国である朝鮮は鉄砲がありませんでした。漢城(かんじょう)というのが現在のソウルです。現在もそうですが、昔から中華思想の影響下にある朝鮮民族は、日本を見下してばかりです。この時も新兵器である鉄砲の効果を知らず騎馬で勝てるとたかをくくり、日本を見下しています。

下記のパンフレット(名古屋市 秀吉清正記念館)に掲載されている慶長の役(1597年)陣立(じんだて)書という書面。朝鮮出兵のさいに、大村からは千名が出兵(上段左から二番目)。いとこの島原の有馬は二千名(上段左から三番目)。さすがは小西行長公、七千名も。

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*弱かった朝鮮:朝鮮の宗主国である明(みん)が登場するまで、朝鮮はボロ負けしています。
50秒より、臨津江の戦い。日本軍は、朝鮮軍に包囲されますが、加藤清正公の登場で、朝鮮軍は敗退し、逃亡しました。

内陸の三城(さんじょう)から、海城(うみしろ)である玖島城になったのは、大村が小西一番隊として朝鮮出兵時、慶長の役における順天城の戦いのあと、朝鮮から日本に帰国してからです。順天城の戦いで、日本が、明(みん)+朝鮮の連合軍に圧勝しました。この戦(いくさ)で、海城が戦では有効だと、大村喜前公が実感したからのようです。

*慶長の役 順天城の戦いは、日本軍13700(小西、大村、有馬、五島、松浦)人で、明(みん)+朝鮮連合軍54556人を打ち負かした戦いです。
Google mapより 順天城

**慶長の役で、小西隊であった大村、有馬(島原)、五島、松浦が陣とした朝鮮の順天城。のちに、明治時代になり、朝鮮が日本領となり、慶長の役後、順天城を調査したのは大村の黒板勝美(くろいたかつみ)先輩でした。ソース:大正5(1916)年6月29日 黒板勝美「朝鮮南岸の調査」(吉川弘文館)

それから、大村は、時勢を読み、徳川に付き、関ヶ原の東西決戦では東軍の徳川方で戦っています。

残念ながら外様(とざま)であり、徳川の方針で、本丸に天守閣の築城が徳川幕府から許可されませんでした。

大村は小藩であったため、天守閣の築城が許されなかった説がありましたが、日本一の石高(こくだか)を誇る外様の加賀(金沢)100万石も築城を許されなかった史実があり、天守閣が築城できなかった理由は藩の石高の大小ではなかったようです。

天守閣がなかった大村の玖島城、加賀の金沢城

2.・・・特定の花は指していないので、玖島城に咲く花だと考えてよいでしょう。現在は、四月の桜、五月のツツジ、六月の菖蒲です。以前は、菖蒲ではなく蓮(はす)が植えられていたそうです。

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作詞の福田清人先輩の作品には「花」が登場します。
一例として玖島中校歌

望みは高き多良が嶺 
南国の日の光る丘の上
美しく大気澄む
以下略

3.かをり・・・①よいにおい。②(顔などの)つややかな美しさ。この場合、玖島城にいるだけで、立っているだけで、感じられる海のかをりだと思われる。

4.ゆかし・・・懐し

① 気品・情趣などがあり、どことなく心がひかれるようである。「―・い人柄」「古都の―・い風情」
② なつかしく感じられる。昔がしのばれるようすである。「古式―・い祭礼」
③ 好奇心がそそられる。見たい、聞きたい、知りたい、欲しいなどの気持ちを表す。
竹取物語:「五人の中に、ゆかしき物を見せ給へらむに」

かおりゆかしく・・・そのままいるだけで、昔がしのばれるようである。そのままいるだけで、好奇心がそそられる。

続く

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