本も出版されているので、何かの参考になるかもしれないので紹介しておきます。
本
教科書を7回読むだけで、断然トップになれた!のページの内容は、教科別に学習法を書いてあります。
注意事項
上の図にも書かれているように、この学習法の1回目~3回目は「目で読む」ではなく、「教科書の内容を写真のように写し取る作業」のこと。
つまり、声に出して、紙に書くということです。目で読むだけ、声に出すだけではダメです。声に出して紙に書くということ。
自分の頭にどれだけ残ったか、です。高校までは学問ではありません。正解が用意されていて、その正解にたどり着くための、知識がどれだけ頭に残っているかをテストするものです。頭がいい、悪いより、どれだけ繰り返したかなのです。
なお、大脳生理学的な、どれくらいの期間をあけて、繰り返すか、どれくらい繰り返せば効果が出るかなどは、脳科学者が「高校生の勉強法」に書きあらわしています。
高校入学後、各科目の勉強法がわからない人は:「高校生の勉強法」
この本に、勉強法が具体的に(どれくらいの期間をあけて、繰り返すか、どれくらい繰り返せば効果が出るかなど)書いてあります。
平成28年/2016年 3月13日追加
なお、米国の大学から研究成果が論文で発表されました。
7回読みより効果的(かもしれない)勉強法
ペースに関して
それから、1ページどれだけの時間をかければよいのかは、それぞれの人によって違います。
各自、ストップウォッチで計測し、Windowsならエクセル、MacならNumbersで表を作成し、自宅の机に貼って、ペンで記入して、各科目別の時間を、自分で計算して出しておくとよいでしょう。
スマホやパソコンでファイル作成して保存しておくより、心理学的に、机に貼って、勉強した成果が、いつでもパッと見て確認できることが重要で、ヤル気につながるようです。成果は「見える化」しておく必要があります。
*エクセルやNumbersに慣れていなくて、作表が面倒な人は、大村ならば九州教具へ行き、コクヨ集計用紙シヨ21(税抜き定価280円)を買ってきて利用するとよいでしょう(最初から線が引いてあります)。
例)
たとえば、世界史の定期試験範囲が今回は20ページだとします。
以下は一例です。
Ⅰ.一回目は、学校で授業のあった日、帰宅後の夜、声に出しながら書いてみて、世界史地図を確認しながら、1ページ12分くらいかかった。3ページで40分かかった。
人物名と地図による場所確認に時間がかかった。「三頭政治、シーザーはポンクラ(ポンペイウス、クラッスス)」。そうか、シーザーはいい男なのに、ポンペイウスはカッコ悪い男だったから、クレオパトラ(エジプト女王)から嫌われたんだな」など思い浮かべながら書いてみた。
Ⅱ.二回目は、そのあとの日曜日に書いてみて、1ページ9分かかった。
Ⅲ.三回目は、1ページ8分だった。問題集もやってみた。問題集は10問で120分かかった。
Ⅳ.試験まであと7日。4回目は1ページ8分だとして、試験範囲が20ページだから、160分かかりそうだ。休憩を入れて180分、3時間。
Ⅴ.試験までに3回(4回、5回、6回)繰り返して、問題集も3回繰り返したい。だから、あと何時間必要だ。
そういう感じで、必要な時間が割り出せると思います。
筆記用具に関して
*長時間書くと、指がくたびれてきますから、筆記用具は、つかれにくいものを使用したほうが良いでしょう。
万年筆(万年筆は筆圧をかけずに書くことができるので、慣れてしまえば、長時間書き続けても、指がくたびれない)、あるいは万年筆に慣れていない人は、つかれにくいボールペン。
平成28(2016)年1月28日追加 新製品
*ボールペンに0.38ミリの細書き、0.7ミリの中字などがあるように、万年筆にも、EF(Extra Fine 極細)、F(Fine 細書き)、M(Medium 中字)、B(Bold 太書き)があるので購入時は注意
本題
1ページ
1ページ.「教科書を7回読むだけで、断然トップになれた!」より引用
基本は教科書を7回読むこと、ただそれだけ。中学時代から彼女はこの勉強法を続け、そのキャリアをつかんできた。塾に通ったり家庭教師についたりしたことは過去一度もない。親の立場で見れば、なんて親孝行な勉強法だろうか。
「教科書を7回読むことで、定期試験に出る範囲の内容を反復して自分の内側に入れて、試験ではその一部を吐き出すというか、再現するような作業なんです」
山口さんはそう話す。「吐き出す」とか、「再現する」という言い回しは独特だが、彼女の読み方を知れば、多くの人が納得できるはずだ。最初に断っておくと、この勉強法に一番フィットするのは社会や英語、理科(主に生物や地学)などの暗記教科だという。司法試験への挑戦も、「この勉強法に最も適しているのではないか」と山口さんは直感し、ひたすら読み続ける勉強法で一発合格したのだという。
2ページ
2ページ.「教科書を7回読む方法」より引用
教科書の理解度を目安にすれば、その勉強法は3段階に大別される。
まず1回目から3回目までは「土台づくり」。彼女いわく「出題範囲の見取り図を作る」作業だ。4、5回目で理解度が飛躍的に高まり、6、7回目は、細かい部分まで含めた最終確認と山口さんは話す。
「1回目は意味をとろうとせずにサラサラッと読みます。大見出しだけを目で追うようにして、出題範囲の全体像を頭に入れるためです。この項目はこれぐらいの分量で、あの項目はこの程度かと、薄ぼんやりとつかむ感じです。そうすることで頭の中に出題範囲全体の見取り図をつくるんです」
1回目を読むとき、何より大切なのは内容を理解しようとしないこと。最初から丁寧に読んで理解しなければと考えると、「大きなストレスになるから」だという。
「意味にとらわれずにサラサラッと読むことで、『なぁんだ、この程度のページ数か』と、思うことができます。それが教科書を繰り返し読むことの面倒くささを、ある程度やわらげてくれるんです」
そういう読み方なら、誰にでもまねできそうだ。続いて、2回目もサラッと読む。すると、小見出しの語句くらいは頭に入ってきて、少しだけ意味がとれるようになる。彼女が言う出題範囲の「見取り図」が、やや具体的になってくる。
「3回目になると、同じようにサーッと読みながらも、たとえば世界史の教科書なら、『次のページの右端には、耳にピアスをしたチンギス・ハーンの写真があって、その左ページはこんな記述があったはずだなぁ』といった、見当がつくようになります。ページをめくりながら、自分のイメージ通りかどうかを確かめるような読み方になってきます」
3回目までは、あくまで「土台づくり」。だから、全体の理解度は2割程度らしい。回数を重ねることで、そこで築いた土台の上に、より具体的な教科書の情報を積み上げていく。いわば、「習うより慣れろ」式の読み方なのだ。
*この場合の「読む」は目で読むだけではなく、「声に出して読む」ことや、「手で書きながら読む」ことが含まれています。引用元が大人向けのビジネス書だから、そのあたりは省略してありますから、読む=目で読む、だけではありません。
3ページ
4回目も同じようにサラッと読むのだが、山口さん自身の受け止め方に変化があらわれる。
「それまでは、私の内側に川のようによどむことなく流れていた教科書の内容が、4回目ごろから川の中に柵のようなものができて、そこに教科書の情報が少しずつ引っかかるようになる。つまり、より細かな意味が、私の頭に入ってくるようになります。5回目に読むころには、教科書の理解度が2割くらいから、いきなり8割くらいにはね上がります」
そのレベルに達すると、彼女が当初話していた「教科書の再現力」は一気に高まる。ページをめくる作業が、次のページの内容を自分の脳に喚起するためのスイッチになり、教科書に書かれたキーワードだけでなく、出題範囲全体の論理の流れもはっきりと見えるようになる。
いよいよ、最終段階に突入する。6回目では、全体像が頭に入っているので、机の引き出しから必要なものを取り出すように、見出しを見れば、その説明がすぐ思い浮かぶようになると、彼女は話す。
「最後の7回目は、斜め読みのような感じでも、自分が細かい部分まで理解できていることを実感します。しかも読むスピードをとくに変えなくても、ある部分については詳しく確認したり、ある部分については読み飛ばしたりすることが、自由自在にできるようになります。そのレベルに到達できれば、読むスピードも1回目の5分の1程度の速さになっているので、この段階なら、300ページ前後の法学の専門書を1日7冊ぐらいは読めてしまいます」
4ページ
文章の行間を読み取って解答しなければならない国語の読解問題や、英単語や慣用句をその正確なスペルまで暗記しなければいけない英語の場合、どう勉強していたのだろうか。
「国語は、教科書よりも、むしろ授業ノートを同じ方法でひたすら読み込みます。ノートには先生が授業中に話していたポイントや、筆者がその文章で言いたかったことなどが書いてありますから。それを教科書の本文と見比べながら、繰り返し読んで頭に入れました」
英語の場合は、単語や慣用句を発音しながら、書いて覚えたりもした。「ただし、書き写したものは一切見ません。五感を使ってより効率的に覚え込むために、ただ手を動かしているだけですから。この方法は暗記科目の社会や生物や地学でも、必要に応じて使っていました」
5ページ
5ページ.数学は「我慢の教科」より引用
数学は、教科書をひたすら読む方法が使えない。いったい、どうしていたのか。
「教科書を読む代わりに、『赤チャート』と呼ばれる、高校教科書の標準レベルから、東大や京大の難関理系学部の入試問題レベルまでを収録した参考書を使い、それを合計7回繰り返し解いて、問題のパターンを覚え込む方法をとりました」
いくら応用問題とはいえ、数学の問題も突き詰めれば何パターンかに集約できると考えたからだという。パターン別に問題を繰り返し解いて、正解を導き出す流れを覚え込んだ。
「1回目は解答を見ながら問題を解きます。同じ問題を反復して解くことで、4回目ぐらいになると、考え方のパターンが頭に入り、解答を見なくても解けるようになってくるんですよ」
これは、算数への苦手意識が強い子こそ、まねしやすい方法かもしれない。山口さん自身、大学入試では、数学は高得点を期待できなかったが、平均点程度さえ取れれば、超高得点が狙える暗記科目で十分に補えるために、とくに支障はなかったらしい。
理科の場合は、「暗記できる部分が多い生物や地学に逃げるんです」と、彼女は苦笑しながら、正直に話す。
「教科書を7回読む。中学から大学まで、この勉強法を続けてきましたが、これが一番ゴールに近く、無駄がありません。妹に『どうやって勉強すればいいの?』と聞かれるたびに、私は『教科書を読みなさい』とだけアドバイスしてきました。読み込む勉強法なので、問題の解き方や考え方を他人にわかりやすく説明するのは、私、今でも苦手なんですよ」
参考:他のやり方 落語家の暗記方法
古代から、現在まで、日本では、文字を使わず、音だけで暗記する方法が用いられてきました。たとえば、日本の古典芸能であり、話芸の落語。落語には文字の本はなく、音だけで、師匠の落語を聞きながら全文を暗記する方法で、現在まで伝わっているのです。
その1
その2