【在校生向け】大村高校と国会図書館、そして長崎県立図書館

日本の知の拠点・国立国会図書館と縁が深い大村市と大村高校。その大村市に、今度は、長崎県の知の拠点となる長崎県立図書館が移転してきます。

縁が深い理由：大村藩の藩邸（江戸時代）→ドイツ大使館（明治・大正・昭和の戦前まで　、写真あり）→国立国会図書館(現在）

つまり、江戸時代の大村藩・藩邸が、明治時代にドイツ大使館となり、現在、国会図書館になっているのです。

ところで、長崎県立図書館が大村市に移転することになりました。平成30(2018）年、大村市立図書館と長崎県立図書館が一体化し、蔵書202万冊の図書館が、大村市に完成します。

長崎県　新図書館整備計画

大村市に完成する新図書館の蔵書（ぞうしょ）202万冊は、長崎大学の98万冊をはるかに越え、大学図書館26位の明治大学図書館の蔵書数に迫るものです。

参考：長崎大学は72位・98万冊で、新しく大村に完成する図書館の半分以下の蔵書です。

●日本の図書館蔵書数ランキング トップ100　『日本の図書館　統計と名簿2012』（社団法人日本図書館協会）

さて、前述の通り、江戸時代の江戸(現在の東京）大村藩・藩邸（はんてい）の場所が、国立・国会図書館となっています。国会図書館は国会議事堂の隣にあります。

昔、大村藩邸、そしてドイツ大使館だった国会図書館から国会議事堂

江戸時代は大村藩邸
明治、大正、昭和の戦前までドイツ大使館
現在は国会図書館

国立・国会図書館の場所は江戸時代の地図では、*大村丹後守（おおむらたんごのかみ）の屋敷と表記されています。

*丹後守（たんごのかみ）というのは、日本古来の役職で、朝廷より授けられた徳川幕府での役職です。

つまり、国会議事堂のとなりにある国立国会図書館の場所が、江戸時代、参勤交代で、江戸にのぼった大村・五教館（ごこうかん、大村高校の前身）の先輩の方々が過ごしていた場所なのです。

大村～江戸まで45日間

*大村から江戸への参勤交代：大村から小倉（北九州市）まで、徒歩で、現在の高速道路のルートでした。

大村・玖島城出発→１日目は武雄に宿泊→数日小倉まで歩き、小倉港から船→大阪港に。

大阪では、大村の大阪屋敷に宿泊し、京都の三条大橋から出発し、江戸を目指し、東海道五十三次（とうかいどう ごじゅうさんつぎ）を歩きました。

*1590年（天正18年）、豊臣秀吉が大改修した当時の部分が残る京都・三条大橋

大村藩の参勤交代ルート
大村藩は、大村から小倉まで徒歩、小倉から大阪までは瀬戸内海を船、京都から江戸（東京）までは東海道を歩きました。

大村藩が歩いた東海道五十三次

大村の玖島城から、全行程で、江戸の日本橋（現在の東京都中央区日本橋）まで、約45日かかりました。

大村藩の江戸の屋敷は、現在の国会議事堂となりの国会図書館の場所でした。

*大村・玖島から歩いて目指した江戸の日本橋（現在も江戸時代のまま、東京都中央区日本橋）

参勤交代の往路のゴールであり、復路のスタート地点である東京・日本橋

江戸には９か月滞在。そして再び約45日かけ、同じルートで大村に戻り、再び１年後、参勤交代というパターンでした（台風や大雨などで日程が遅れたことがある）。幕末は、大村藩主が長崎奉行となり、幕府の代理人として長崎市を統治しました。長崎奉行となってからは、大村藩は参勤交代が免除となりました。

*講談社刊　華族総覧より引用

長崎県と長崎市は、大村が長崎奉行だった歴史的事実を知られたくない？ためか、長崎歴史文化博物館の文書や展示してある掲示物、文書には、事実が書かれていません。

長崎市としては、県内に事実が知られたら困るんでしょうね。ずっと、「なんでも長崎市が一番だ」と、長崎県と長崎市は事実を隠してきたから、真実が知られることは好まないんでしょうね。でも、事実を知っておく必要があります。

創立のエピソード