上記：映画「キングダム」より
地政学は、現在も日本の大学では研究することができない学問です。古代で言えば、キングダム（紀元前3世紀、BC230年頃、約2300年前のことが紀伝体で書かれた歴史書「史記」をベースにしたもの）では、軍師に必要とされた学問です。第二次大戦前までは、各帝国大学で研究できましたが、戦争の後、アメリカによって禁止されました（現在は禁止されていません）。京都大学が研究のトップでした。
＊下記：地政学の入門書・大国政治の悲劇
春秋戦国時代（BC770年ーBC221年）、中華で550年間も続いた戦争の時代に終止符を打ち、秦の始皇帝が中華を統一するまでを描いたキングダム。司馬遷（しばせん、BC145年ーBC86年、前漢の武帝の時代）が書いた紀伝体（きでんたい）の歴史書・史記（しき）をもとにマンガで描かれ、アニメ、実写化されています。
紀伝体（きでんたい）とは？：日本国語大辞典より
おそらく、大村高校同窓会本部や大村高校教員らは何も関心を持っていないため、目を通していないと思いますが、大村高校百年史（昭和59年/1984年 刊行）も紀伝体で書かれています。
元大村高校校長だった満井録郎（みついろくろう）先生と当時の教頭だった小川正義（おがわまさよし）先生によって紀伝体にすることが決定されました（大村高校百年史による）。
なぜそうなったのか？それは、編年体より紀伝体の方が人物を生き生きと描けるからということで。
このアニメ（キングダム）を見る前に。実在した戦国七国は暗記し、地図上の位置も覚えておこう。
戦国七国：「秦・楚・燕・斉・韓・魏・趙」
（覚えかた：「しんそ えんせい かんぎ ちょう」と繰り返し音読。数十回繰り返し音読すれば覚えられます）
＊古代の地政学を身につけた軍師（作戦参謀）の例：キングダムより
・軍師：昌平君（しょうへいくん、実在した人物：紀元前271年ー紀元前223年、司馬遷の史記に登場）
・昌平君の弟子で飛信隊の軍師：河了貂（かりょうてん：架空の人物、キングダムの作者・原泰久先生の創作）
・軍師：李牧（りぼく）：中華統一を目指す秦国に立ちはだかる趙国の軍師、実在した人物、司馬遷の史記に登場。生年不詳ー紀元前229年
＊＊キングダムの基になっているのは司馬遷（しばせん）の史記（紀伝体による歴史書：前漢の7代皇帝・武帝の時代、紀元前89年頃完成）で、最も古いもので全巻揃ったものは、中国には残っておらず、日本に保存されていました。
完全本は南宋時代（1195年頃、日本の鎌倉時代）に日本に渡ってきたもので、世界で最も古い全巻揃った司馬遷の史記です。その日本に残されていた原本が出版され、原文の漢字から簡体字という簡略化した漢字に移し、中国の研究機関・大学・高校のテキストになっています。
※日本で司馬遷の史記は江戸時代から注釈・翻訳書が出版されています。現在、秦の始皇帝研究の第一人者は学習院大学の鶴間和幸（つるまかずゆき）名誉教授。以前の第一人者は、京都大学の故・宮崎市定（みやざきいちさだ）教授。
最も古い「司馬遷の史記」を求めて日本の旧制第二高校（現、東北大学）教授が日本全国探し回りました。その結果、遣隋使・遣唐使などにより、お寺や旧家等にもたらされたものが残っていることが判明。
全巻は揃いませんでしたが世界で最も古い司馬遷の史記でした。それは、唐（618年ー907年）時代のテキストを、日本の1930年代（昭和時代初期）に集め、日本で出版され、その原文が、現在、中国において繰り返し出版されています。
日本では明治書院が「新釈漢文大系」として出版し、司馬遷の史記は、原文と日本語訳で読むことができます。本の価格が1冊1万円前後、全巻で121冊もあり、個人ではなかなか買えない本です。興味があるなら、大学の図書館や、国会図書館など、大きな図書館に揃っているので、それを閲覧してみてください。
明治書院・新釈漢文大系
新釈漢文大系：発売順リスト
さて、史記のみならず、それより古い、始皇帝のライバルだった呂不韋（りょふい）が約2300年前に木簡（秦の春秋戦国時代は、まだ、宦官・蔡倫[さいりん]による紙が発明されていません。蔡倫は漢の時代です）で出版した当時の大辞典（呂氏春秋）も、2300年後の現在の日本で読むことができます。高校で漢文を習ったおかげで、2300年も前のものが読めるのですから。
＊呂不韋が呂氏春秋を完成させる直前の頃の場面
動画冒頭「呂不韋様！？」と呼びかけているのは、のちに始皇帝亡き後、秦国の丞相となるものの、宦官・趙高の裏切りで腰切りの刑になり殺される李斯（りし）。高校世界史の時、「韓非子（かんぴし）」と一緒に「法家思想の李斯」という漢字を書いて覚えた人も多いのでは？日本史と世界史の中の中国史は漢字の学習ですから。
＊参考
○一字千金：一攫千金（いっかくせんきん）などの「なんとか千金」は呂不韋が最初に言い出した。アニメ「キングダム」でも呂不韋の「呂氏春秋」の時に描かれていました。
○馬鹿：日本全国で他人をののしる時に使う単語の「馬鹿（バカ）」。秦国の宦官の趙高（ちょうこう）があるエピソードで創り出した。
○アホ：関西で使用する他人をののしる時の単語「アホ」は、秦国の阿房（アホ、アボウ）宮のエピソードから言われるようになった。
○奇貨：きか。法律用語で、しばしば登場する「なんとかを奇貨として」の奇貨も呂不韋が最初に使い出した。
宦官・趙高（キングダムより）
宦官に関して詳しく知りたい人へ
中公新書：宦官
以下の動画の内容は上記の本に書かれています。
＊菅原道真（すがわらみちざね）が遣唐使を廃止したのは正しかったと思います。唐では玄宗皇帝（正確には安史の乱）以降、宦官が唐の国政を牛耳り、軍閥が割拠し、節度使は機能しなくなり、国力が衰退し、日本が唐から得るものは無くなります。菅原道真は、京から博多に近い太宰府に左遷されてしまいましたが、決断は正しかったと思います。
実は遣唐使を廃止（894年）してから、1972年（昭和47年）の田中角栄首相が日中国交回復するまでの1078年間も、日本とシナ大陸の国とは正式な国交がありませんでした。日本と中華は正式な関わりあいを持たないほうが、1000年間の知恵として、良い関係なのではないのでしょうか。
＊約2300年前に呂不韋が刊行した（紙が発明される前なので、当初は木簡で発行）「呂氏春秋」は、現在は紙と電子版の抜粋（ばっすい）版もあり、1300円程度で入手可能です。
韓国は、1967年から漢字をすべて義務教育から廃止しました。1967年以降、韓国で教育を受けた世代（現在の60歳以降、人口の9割以上）が、漢字を理解できなくなってしまいました。20世紀はじめまで、東アジアの歴史書や、外交文書は、漢字で書かれていました。
つまり、過去のことばかり口にする朝鮮民族なのですが、実際は、過去の歴史を知ることができない、デマと感情に流される、事実を知らないでウソに洗脳されやすい民族になってしまったように見えます。
現在も漢字を使い続けるのは、日本、台湾、中国だけです。
漢字の重要性を知らない愚かな民族が朝鮮民族ではないでしょうか？
中国は、王朝が変わるたびに、町も家も本も焼かれ、技術者と学者、そして政治家は皆殺しにされてしまいます。中国の歴史は虐殺の連続です。優秀な人が定期的に殺される国ですから、中国は春秋戦国時代が知的には最高で、その後はどんどん知的には衰えてきて、現在のような国と人民になってしまったのではないでしょうか。
中国史は興味深く面白いのですが、現在の中国人は、単調でつまらないし、リスペクトはできないように思います。裏切り、そして虐殺してばかりの歴史で、優秀な人は消されて、優秀なDNAは引き継がれなくなりなくなり、重要なことが失われ、ゆるく・薄くなってしまったようですから。
秦は始皇帝が亡くなった後、丞相（じょうしょう）の李斯（りし）、宦官（かんがん）である趙高（ちょうこう）の裏切り（嫪毐[ろうあい]の反乱時、始皇帝の母の側近で、毐[あい]という国を建てるにあたり助言した黒幕の宦官）、そして秦の法律が厳しくて、農民の二人、陳勝（ちんしょう）と呉広（ごこう）が反乱をおこし、秦国はあっけなく滅びてしまいます。
匈奴を討った蒙恬（もうてん、実在した人物。生年不詳ー紀元前210年没）も、宦官（かんがん）・趙高の陰謀によって殺され（自害に追い込まれる）てしまいますし。
とにかく古代から現在まで、中国の歴史は裏切りと虐殺の歴史です。
近い時代だと、1970年代（日本の昭和後期）の文化大革命、1989年の六四天安門事件で、優秀な人は、殺されてしまいました。
文化大革命とは？
日本は奈良の正倉院（しょうそういん）宝物でわかるように、王朝の交代がなかったために、古いものがきちんと残りました。応仁の乱、そしてアメリカ軍による第二次大戦の空爆で消失したものを除き。
＊近代、軍師（作戦参謀）となった大村の先輩の例：福田雅太郎先輩
・大村生まれ、大村高校の前身・旧制大村中学校から陸軍に進み、ドイツ留学（当時、地政学はドイツが最も進んでいた）で地政学を身につけ参謀（さんぼう、現在の軍師）となり、のちに、帝国陸軍のトップである、陸軍大将となりました。
福田雅太郎（ふくだまさたろう、1866−1932）先輩：日露戦争で帝国陸軍の第1軍参謀
Wikipediaより
知らない人へ、日露戦争とは？
第二次大戦で、わが国は戦争に負けたため、戦勝国のアメリカによって東京大学でも京都大学でも地政学は研究できなくされてしまいました。敗戦から長い年月がたち、国際情勢が大きく変化し、現在のわが国では、地政学が必要とされているのに、司令塔となる研究機関（第二次大戦前の地政学の司令塔は京都大学だった）が日本にはありません。
＊石原莞爾（いしわらかんじ）のような、地政学による国家戦略を考えるエリートが日本から出ないように、また、日本人に「国家戦略」を考えさせないために、アメリカは地政学を禁止したのでしょうか？もう、状況が変化し、現在、日本に地政学が必要な時代になっています。
石原莞爾の「最終戦争論」は青空文庫で無料で読めます。
現在、アメリカは日本に対して地政学研究を禁止してはいませんが、なぜか、わが国の各大学は研究を自粛していて講座もなく、国家戦略を考える地政学は学べないし、司令塔がありません。そのため、わが国には戦略を打ち出す地政学の司令塔がないため、各国の国家戦略がぶつかる場面では、他国の嫌がらせに勝てない状況になっています。
敗戦の後、アメリカにより地政学の研究は禁止させられ、研究機関はつぶされたので、地政学に関して、大学では研究禁止、そして一般人は、興味があっても興味を深めることができませんでした。
しかし、英国で博士号を取得した奥山真司先生が、精力的に活動され、本が多数翻訳されています（そして売れています）。つまり、日本の大学ではダメなのに、一般人が、興味を深め、研究できるようになりました。
＊奥山先生の動画
サイレント インヴェージョン(silent invasion)=目に見えない中国の侵略：本はこちら（奥山先生の翻訳）
日本もオーストラリア同様、中国の侵略を受けています。具体例とともに、中国の侵略を解説した動画。中国の日本に対する「いやがらせ」構想が明らかになっています。
＊すでに日本国内で発生した「目に見えない中国の侵略」（サイレント インヴェーション）に関して：
再生可能エネルギーは中国の侵略の一つ
中国の侵略に関して解説動画
＊奥山先生にいただいた自筆のサイン
現在、地政学の戦略学博士号を取得したのは、日本人でただ一人、奥山真司先生です。本当は芸術の専門学校に行くために海外留学した奥山先生は、ひょんなことから地政学を学び、第一人者になった方です。
＊奥山先生の動画
多数翻訳された奥山先生の本の一つが「大国政治の悲劇」です。興味がある方にはおすすめします。マスコミ報道とは違い、この先は、中国が平和的に台頭しないことを念頭におかなければならないようです。
さて、中国には大義名分がありません。ただ、中華が生き残るための侵略のみです。各国が中華に飲み込まれるか、そうしないのか。中華は対等の概念がありませんから、同盟が成立しません。
＊アメリカによる同盟の考え方はスタートレックで明らかにされています。以下のエントリーに書いてあります。
現実、朝鮮半島は1000年以上中華帝国の属国でしたから、飲み込まれることになるでしょうが、他国はそういう希望はありません。日本で中華帝国の属国になるための活動をしているのはパヨクでしょう。なぜなら、パヨクは元・属国民の帰化朝鮮人や在日韓国朝鮮人たちのように見えますから。
中国と貿易をすることは重要ですが、中国に依存することは危険です。中国は日本だけレアメタルを輸出禁止にし、日本の産業にに打撃を与えようとした例があります。依存すると、脅迫されますから。また、戦争になった場合、中国から産業に打撃を与えられてしまいます。
だから、日本は中国に依存しなくていいように、ヨーロッパとEPAを締結したり、アメリカが抜けてもTPPを推進する方向で、ブロック経済の方向に動いているようです。
＊ブロック経済に関して：以下のエントリー（安倍談話）で表明されています
ブロック経済であるTPP、中国はくやしくてたまらないようで、「日本はTPPを強硬に推し進めれば恥をかく」など、恥の文化がない中国が日本に対していやがらせの論文を発表しています。中国共産党の機関誌・人民日報傘下である環球時報より「日本には能力がない」といやがらせでしめくくってあります。
日本はTPPを強硬に推し進めれば恥をかくことに―中国専門家
2017年7月13日、環球時報は、日本には米国が離脱した環太平洋連携協定（TPP）を単独で主導する力はないとする、上海国際問題研究院アジア太平洋研究センターの蔡亮（ツァイ・リアン）副研究員による評論文章を掲載した。
12日、TPPに参加する11カ国の代表者が箱根に集まり、米国抜きのTPPをどう実現するかについての協議が行われた。蔡氏は、日本が10カ国を率いて今年11月にTPPを成立させようと動きを活発化させていると紹介。
そのうえで「日本の目的は、トランプ米大統領の保護主義への対抗、そして間もなく署名される日本・EU経済連携協定とのリンクだ。日本は自由貿易の防衛者を標榜し、新たな貿易秩序づくりのなかで主導的な役割を担おうとしている」と解説した。
また「TPPは日本にとって中国に対抗する有効なツールになる」とも指摘。「日中両国は日中韓FTAや東アジア地域包括的経済連携（RECP）の進め方で対立している。
まず合意に署名してから具体的な協議に入るべきと主張する中国に対し、日本はTPPを見本としたRECPにしようとしている。RECPとTPPは参加国がかなり重なるため、日本はTPPメンバー国を取り込んで自らの主張を通す目論見だ」と論じている。
しかし蔡氏は、TPPを積極的に推し進めても、日本が望む成果が得られるとは限らないとし、「日本の客観的な能力と、主観的な願望の落差は極めて大きい。経済規模が米国の30％に満たない日本主導は魅力が少なく、だからこそTPP参加国は日中共同でのTPP推進や、中国のTPP参加を公に歓迎しているのだ」と論じた。
蔡氏は最後に「日本が自分の力だけでTPPを推し進めるのは難しい。努力をしないのではなく、能力がないのである」と結んだ。
ブロック経済であるEPAに関して：この12月８日に交渉がまとまりました。日本とEUで、世界貿易の４割を占めるものです。
日本経済新聞より
しかし、中国はウソによって日本を精神的に攻撃する方向で活動していますから、だまされないように。サン・フランシスコの慰安婦像、フィリピンでの慰安婦像は中国人が出資して建てています。
身近な例で、中国の侵略の手先になっているように見える残念なことは、田上長崎市長、長崎県教育委員会、長崎東高、長崎西高、長崎北高、佐世保北高、佐世保南高などです。中国の意図に沿って動いている部分があるように見えることです。
修学旅行先が中国だったり、ウソをもとに平和公園に長崎市予算で碑を建てたりしていることです。長崎県教育委員会は、ウソの100人切りの授業をおこなった教員を甘い処分ですませました。
長崎県に住んでいると事実が見えてきませんから、外の世界に目を向けだまされないようにしましょう。
