高校の先生も生徒も、ただ偏差値だけで大学を決めようとする傾向が多いかもしれません。現実はそうではないことがあることを伝えたいと思います。
名古屋大学(理系)の特徴と魅力に関して、その一部を伝えます。
文科系の場合
文科系の大学ならば、東京の大学にしたほうが良いです。
文科系の場合、地元教員や地元で公務員を志望する人は地元の大学へ。そうではないひとは東京へ。
詳細は以下に書かれていますのでご参照ください。
名古屋大学の特徴(理科系)
名古屋の大学生の文化的特徴は自宅文化と言われています。東京とは大きく違います。その点を解説しておきます。
名古屋の位置と距離感
名古屋の距離感:東京ー名古屋はJR東海の新幹線で1時間20分(高速バスは5時間)、名古屋ー大阪は、JR東海の新幹線で1時間かかります(近鉄特急だと2時間かかります)。
*名古屋
名古屋独特の文化
自宅文化。名古屋圏の大学は自宅文化。具体的には、名古屋圏の大学は7割以上が自宅通学なのです。驚くべき数字で、東京の場合ならば、5割以上が、自宅ではない下宿(アパートなど)通学です。つまり、東京の大学のように、よそから出てきた人が少ないのが名古屋の大学の特徴だといわれています。
自宅文化には、良い面、悪い面があります。
名古屋圏でしばしば言われる「自宅文化」に関しては、小説家・村上春樹氏の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」という小説に書かれています。興味がある方はご一読ください。名古屋で、高校から大学に進学する場合、どういうふうな感覚なのかが書かれています。
自宅文化の特徴として、よその土地に出たがらないという傾向も強いです。
文科系は、外の刺激が必要なので、自宅文化は良くない面がありますが、理科系はそうではありません。ノーベル賞受賞者で、英語がしゃべれないことが自慢で海外経験がなかった益川敏英博士(生まれも育ちも名古屋、大学も名古屋大学)の例があります。
研究に打ち込むには、交通の便がよいにもかかわらず、外からの雑音をシャットアウトできる京都大学、北海道大学、東北大学、そして名古屋大学が良いと思われます。
東京大学は、国家権力が近すぎること(そのかわり研究資金は潤沢)、九州大学は交通の便が悪いこと、大阪大学は京都大学と神戸大学から常に比較されるという雑音があるようです。実際、旧帝大では、九州大学と大阪大学だけ、いまのところノーベル賞受賞者が出ていません。
ただ、大学が名古屋圏で、自宅通学が多い名古屋文化になじんでしまうと、就職で東京に出たときに、さまざまな面で、東京になじめない点が多くなることがあるのでご注意ください。
しかし、名古屋には、三菱重工があり(航空機の研究・開発)、航空自衛隊もあり、小牧空港もあり、トヨタ自動車もありますから、工学部をめざす人にとっては最適な土地だと思います。
他の特徴
女性の名古屋巻き
女性の場合、「名古屋巻き」と言われる独特の東京とは違うヘアスタイルが特徴です。名古屋巻きで検索
残念ながら東京では流行していません。
独自の食文化
ほかに、食べ物が違います。名古屋は、すべての味が濃いのです。うなぎの「ひつまぶし」(「ひまつぶし」ではない)、きしめん、みそかつ、うどんの味噌煮込み。すべてが、味が濃いものになっています。
*思ったほど味が濃くなかった名古屋名物「矢場とんのみそかつ」
*味が濃いが、こくがあって、おいしい名古屋名物「山本屋本店の味噌煮込みうどん」
ファッションに気をつかわなくていい名古屋
理科系の人が、名古屋で大学生生活を過ごしやすい点として、名古屋では服装に気をつかわなくていい点があげられます。
名古屋は人口が200万を超える大都市なのに、文化的には洗練されていないのです。自宅の人が多いので「このままでいいや」みたいな感覚になるのでしょうか。
名古屋は、大村にいるときと同じ格好で繁華街を歩いても問題がないような感じです。東京ではそういうわけにはいきません。札幌もそうです。しかし、名古屋は、服装に関しては男女ともに、大都市なのに田舎のままでOKな感じです。
ビジネスマン(サラリーマン)のスーツとネクタイが、東京に比べ、名古屋の場合、流行遅れというか、2年くらい前に東京ではやった格好の方をしばしば見ますから、学生から社会人まで、あんまり格好に気を使わないですむ文化だと思います。
理科系は、服装より中身で勝負です。東京とは違い、服装に気をつかはなくても良いぶん、研究にエネルギーを注ぐことが可能です。ただ、名古屋で4年間過ごすと、服装に関しては洗練されません。東京の大学に進学した人たちに、ファッションセンスの面では大きく差がついてしまうと思います。若いときに東京で過ごすと自然に身につく感覚が、名古屋では身につかない可能性があります。
名古屋の人間性
九州、東京、大阪、東北、そして北海道とは違う名古屋の人間性。いい意味でも、悪い意味でも、ねちっこくて粘り強いです。大村は違いますが、長崎市では粘り強い人間は嫌われます。あっさりした人間が好かれます。
ただ、商売や研究では、粘り強さが求められます。名古屋人の強さは、商売で発揮され、リンナイ(ガス)、ミツカン(酢)、カゴメ(トマトジュース)、トヨタ(自動車)など、名だたる企業が名古屋発です。大阪人とは商売のやり方が違う感じです。
付け加えれば、豊臣秀吉も名古屋市中村区出身、そして、大村の玖島城の石垣をアドバイスした熊本城主だった加藤清正も名古屋市中村区(現在の名古屋駅周辺)出身です。
*名古屋市中村区で毎年開催される太閤(豊臣秀吉)祭り
*名古屋市中村区に祀ってある豊臣秀吉と加藤清正、そして秀吉清正記念館
*熊本の加藤清正の銅像
結論
偏差値以外の情報を集めることをおすすめします。偏差値だけにだまされないように。偏差値は必ずしも正しいわけではありません。入学時と卒業時は、ルールが変わるのです。そのことは伝えられていません。
ただ、やはり、研究・開発にすすむのであれば、理科系は、ノーベル賞実績でわかるように、九州大学や大阪大学より、北海道大学・東北大学・東京大学・京都大学・名古屋大学を目指したほうがよいと思われます。人生は一度きりです。偏差値以外の情報を集め、親に相談し、慎重に決断していきましょう。