ペリュリュー島の戦いは、昭和19年(1944)9月15日から同年11月25日、現、パラオ共和国ペリリュー島で行われました。
日本軍守備隊(守備隊長:中川州男陸軍大佐)とアメリカ軍(第1海兵師団長:ウィリアム・リュパータス海兵少将、第81歩兵師団長:ポール・ミュラー陸軍少将)の陸上戦闘をいいます。
アメリカ軍は2日で戦闘は終わると日本軍を舐(な)めていました。アメリカ軍の新兵器が使えない近接戦闘に持ち込んだことにより、戦闘は2か月以上におよびました。米軍の上陸部隊が壊滅して、日本軍にとっては名誉の戦いで、米軍にとってはみじめな不名誉の戦いであったために、永い間、アメリカ軍の歴史から消されていたようです。
近接戦闘は、アニメ・新世紀エヴァンゲリオンで、使徒を倒す有効な方法として描かれています。機動戦士ガンダムでも、結局最後は、近接戦闘による格闘が有効であると描かれています。ガンダム世界では、レーダーなど電波兵器を無効にする粒子(ミノフスキー粒子)が戦闘に用いられ、第一次大戦以前の、目視による戦闘になっています。
ほか、ペリリュー島の島民と日本軍が交流しており、民間人である島民を戦闘に巻きこまないように逃がし、犠牲を少なくしたために、現在も、ペリリュー島の政府であるパラオ共和国は、日本の日の丸から国旗をデザインしたものを採用しています。
ペリリュー島の戦い
国語の先生ならご存じでしょう。小説家の中島敦(なかじまあつし、代表作に山月記、李陵)がパラオに国語教師として赴任しており(当時、日本領)、その当時のパラオのことが本になっています。
作品名:南洋通信(中公文庫)
ペリリューで米軍の捕虜となっても、捕虜収容所からの脱走に成功。そして米軍の弾薬庫爆破に成功した日本軍・不死身の船坂(ふなさか)分隊長(すべて実話)
たった一人で200人以上のアメリカ軍人を斃(たお)し、アメリカ軍に勇敢さをたたえられた帝国陸軍・不死身の分隊長(生きて帰国)
*ペリリュー島のその後の影響
ベトナム。フランスの植民地だったベトナムが、フランスを追い出す時のベトナムゲリラ戦法に影響。日本人が、ベトナム陸軍士官学校で日本のペリリュー島の戦法を教育し、ベトナム独立に役立ちました。
産経新聞より
1.
忘れられた戦争「ペリリュー島の戦い」に焦点
■NHKスペシャル、フジはドラマ「8月15日」が今年もやってくる。テレビ局はその前後に戦争関連の特別番組を相次いで投入。今年は日米が南洋で激戦を繰り広げた「ペリリュー島の戦い」から70年にあたり、NHKは特番を13日に、フジテレビも15日に特別ドラマを放送する。NHKの天川恵美子チーフプロデューサーは「ペリリュー島の戦いは『忘れられた戦争』になっている。節目の年に改めて光を当てたい」と話している。(本間英士)
ペリリュー島は、現在のパラオにあるサンゴ礁の島。米軍は昭和19年9月、この島に上陸し、迎え撃った日本軍は洞窟などを拠点に2カ月以上にわたって組織的に戦った。ここで日本軍は「アッツ島の戦い」(18年5月)以後続けてきた組織的な「玉砕」を初めて禁止。持久戦に持ち込む戦法は日本軍の戦術上の転換点となり、約3カ月後の「硫黄島の戦い」にも引き継がれた。
天川さんは、ペリリューの戦いが「忘れられた」理由について、約1万人の日本兵のうち生還者がごく少数だったため、語られる機会がほとんどなく、また、米軍の最精鋭部隊といわれた「第一海兵師団」の死傷率が約50%と極めて高く、米国にとっても「不名誉な戦い」とされ顧みられてこなかったことを挙げた。
NHKは今年5、6月、ペリリュー島の戦いを撮影したフィルム113本を米国立公文書館や海兵隊基地の倉庫で発見。フィルムに収録された約13時間分の映像には、日米両軍の銃弾が飛び交う接近戦や、米国の新兵器だった火炎放射器が使用される場面、兵士たちが日増しに追い詰められる様子などが記録され、「映像は驚くほど鮮明。カラー映像もある」(天川さん)という。
2.
NHKはこれらの映像や現地でのロケ、日米双方の元兵士へのインタビューを13日午後10時からの「NHKスペシャル」で放送。天川さんは「当初は『記憶は墓場まで持っていく』と語っていた元兵士の人を説得するのが大変だったが、先人たちの記憶を後世に伝えるため、いま話を聞く必要があった」と振り返る。
米国の元兵士は、いまだにシャワーを浴びる際に戦場での銃弾を思い出すという。「戦争の恐怖やトラウマは、整理して消化できるものではない。小さな島で起きた“悲劇”を、フィクションではなく現実のものとして知っていてほしい」と天川さんは話す。
フジテレビも15日午後9時から、ペリリュー島の戦いで日本軍の指揮を執った中川州男(くにお)大佐(上川隆也)を主人公にしたスペシャルドラマ「命ある限り戦え、そして生き抜くんだ」を放送する。
中川大佐は日本軍を指揮しただけではなく、現地の人々と密接な関係を築き、ペリリュー島が戦場となる前に住民を別の島に疎開させる決断を下した人物。ドラマの主人公として描かれるのは初めてで、編成企画の細貝康介さんは「ペリリュー島の戦いを描くことで、戦争の悲惨さと、その悲惨な経験の上で生まれた日本とパラオの希有(けう)な絆を、幅広い世代の視聴者に伝えたい」と話している。
3.
■民放各局の特番
TBSは、6、7、13日の「NEWS23」で、女優の綾瀬はるか(29)が広島の被爆者や、長崎で被爆した奄美大島の被爆者を訪ね、当時の話を聞く。25日の「テレビ未来遺産」の枠では、ソ連侵攻後の満州を舞台に、戦場の兵士と銃後の女性、子供たちを襲った悲劇を描いたドラマ「遠い約束~星になったこどもたち~」を放送する。
テレビ朝日は10日、「ザ・スクープスペシャル」で、戦時中に陸軍が毒ガス兵器の研究・開発を行っていた大久野島(おおくのしま)(広島県)などについて特集。「報道ステーションSUNDAY」(10日午前10時)では、沖縄戦のさなか、八重山諸島で発生したマラリアの被害について取り上げる。
テレビ東京は17日、「池上彰の戦争を考えるSP」を放送。スパイ容疑で戦後処刑された学徒兵、木村久夫の「無念」を紹介するほか、終戦後に樺太(からふと)で起きた女性電話交換手の集団自決をテーマにした「樺太の悲劇」も放送する。
日本テレビは報道番組のコーナーなどで戦争特集の放送を予定している。