この本は、現在なら生徒用というより、教師用のネタ本(テスト出題用)になりそうです。
さて、この本は、大村高校時代に購入しましたが、当時の私には難解で、まったく利用しないまま、本棚に埋もれました。
長い年月がたち、本屋で「復刊」と書かれて積まれていたので、手にとって読んでみたところ、読める・わかる・内容がすっと頭の中に入ってくる、と3拍子そろったので購入しました。
漢文は別にして、国語は、長い年月の間に、実力がつくんですね。前提条件として、日々、読書しているということが付加されますが。
昔の、旧制中学から旧制高校、そして旧帝国大学の方々は、それ以降の世代とくらべ、大量に読書をした世代なので、教養の幅が深く、広いです。
また、この本は、古文解釈の参考書というより、古文の背景にある、歴史、心理、文化が解説されているのです。
この本の著者は英語が堪能だったと言われ、日本語のみならず、英語から吸収された知識をも、古文の解説に書かれ、他の参考書や解説書にはない幅広い教養の解説があふれていると思います。