前回のこと
文科系は東京の大学をめざそう その1はこちらです。
はじめに
さて、その2です。
知られていないので、文科系で、東京の大学に進学した場合の「目には見えないこと」で、自然に身につくことを伝えます。
「目に見えないこと」が身につくので、他の地域の大学に進学した人より有利な点があります。
なお、文科系に進学した場合と、理科系に進学した場合は、仕事内容、職種が変わってきます。その点の違いは、「文科系は東京の大学をめざそう その1」で伝えてありますので、疑問点がある方は、こちらを先に目を通しておいて下さい。
また、企業の本社は東京に集中していますから、文科系で長崎県庁・大村市役所・教員などの地方公務員を目指す人以外で、企業への就職を希望する人の場合が該当します。
東京の大学に進学すると、何が自然に身につくのか?
タイトルだけでは、よくわからないと思います。具体的な事例で伝えます。
東京と、大阪・名古屋を比較してみます。福岡や京都も大阪・名古屋と同じです。
比較してみるのは人混(ひとご)みです。人混みを比較してみます。
東京
実は東京では人混みができると、誰も指示しないのに、きちんと秩序ができてしまい、ほぼ左側通行になります。
写真で確認してみましょう。渋谷です。
*動画で登場する東京・渋谷のスクランブル交差点という世界的に有名な人混み
*↑上記の動画でときどき、チラッ、チラッとスクランブル交差点の画面右に見える「大盛堂(たいせいどう)書店」という文字。大盛堂書店は、帝国陸軍・不死身の船坂(ふなさか)分隊長が、設立した書店です。
たった一人で200人以上のアメリカ軍人を斃(たお)し、アメリカ軍に勇敢さをたたえられた帝国陸軍・不死身の分隊長(生きて帰国)
>>「実は東京では人混みができると、誰も指示しないのに、きちんと秩序ができてしまい、ほぼ左側通行になります」
つまり、人混みができた場合、どうすれば通りやすく、ぶつからないようにすればいいのか、自然に計算して行動してしまうのです。渋谷、新宿、東京駅、品川でも、自然に秩序ができあがります。急ぐ人も急がない人も、合理的に判断して、早く到達する秩序ができるのです。
*↓イギリス人が、人ごみで、人と人がぶつかった場合の調査を渋谷のスクランブル交差点で実施。人混みでも人がぶつからないので調査は終了したとのこと。イギリス人の間違いは、日本がすべて同じだと思っていること。この調査を大阪で実施したら、違った結果になったことでしょう。
イギリス人とは別に、以下の記事を書いた記者は、東京のことが日本中すべてに通じると思い込んでいて、大阪や名古屋など、他の土地に行ってみたことがないと考えられます。東京人と大阪人は、その特性に違いがあるのですが、この記者は、イギリス人と同様、日本がすべて東京と同じだと考えていることがわかります。
「街なかで人に肩がぶつかった時に、どれくらいの確立で謝るか」という実験を世界各国で行ったところ、実験者がわざとぶつかろうとしても、日本人は凄まじい回避能力を見せたため
「ジャパニーズは全員ニンジャ」という結論に達した。
Twitterなどで人気のツイート(@KIRINtarou)として出回っているので、一度は見たことがあるかもしれません。
これは、イギリス人の研究者が、「路上で人にぶつかった時、謝るのはイギリス人だけか」ということを調べるため、世界各国の人で実験をしたことが元のようです。
その結果、イギリス人と同じくらい謝るのは、日本人だけだったことが分かりました。
ところが。「日本人にこの実験をするのは非常に難しかった。彼らはぶつかる前にさっと避ける技術に、信じられないほど長けているからだ!」
だから、「日本人はニンジャ」ということになったのですね。
考えてみると、私たちは大都市の雑踏の中でも、比較的人にぶつからずに歩いているのではないでしょうか。
渋谷の交差点を歩いても、あれだけの大人数が一斉に動いているにしては、意外と誰にもぶつからなかったりします。
確かに日本人は「凄まじい回避能力」を持っているようです。
大阪
東京から大阪に行くと驚きます。
大阪では秩序がありません。歩く人が、勝手な方向からやってきて、しばしばぶつかりそうになり、ぶつかることがあります。急ぐ人も急がない人も、進行方向から人がぶつかってくる可能性があります。首都圏に長く暮らして、大阪に行くと変な感じがします。それは、東京のように全体の中で自分がどう行動すれば良いのか考えていないことがわかるのです。
写真で確認してみましょう。大阪の人が自慢する「梅田(うめだ)」とよばれる繁華街です。
名古屋
名古屋も大阪と同じです。もっとも人通りが多い名古屋駅構内には東西をつなぐ4つの通路があります。東京なら、自然に2つが東行き2つが西行きとなり、急ぐ人に便利なようにスムーズな通行になりますが、名古屋はそうなってません。
バラバラに人がさまざまな方面から向かってくるので、よけるのが大変で、急ぐ人が、急ぐことができません。
写真で確認してみましょう。
結論:大切なものは目に見えない
「大切なものは目には見えない」:星の王子様より サン・テグジュペリ(フランス人)作
つまり、東京では、どうすれば早く目的を達成できるか、どうすればリスクを避けられるか(この場合、ぶつからないようするには)という合理的な判断力が、自然に身につきます。なぜなら、まわりの社会がそうなっているからです。
*内定通知書(本物です)
したがって、仕事でも同様で、地方の大学をでて(たとえば、九州大学とか長崎大学とか広島大学とか)、東京の企業に採用された人を見ると、東京の大学に進学した人が4年間で自然に身につくスキル、「どうすれば早く目的を達成できるか、どうすればリスクを避けられるか」という合理的な目に見えないことが身についていないように思えるのです。
けっこう大きなことなのですが。
地方大学出身者が東京に出て、いつハッと気がつくか。気がつかない人は、気がつかないままのようです。大人になると、いちいち細かく教えてくれませんから、気をつけましょう。
東京の大学に進学した人は4年間で、知らないうちに合理的な思考と行動が身についてます。試(ため)しに、大阪の梅田、名古屋の名古屋駅に行ってしばらく歩いてみると、「なーるほど」と、わかると思います。
*星の王子様より:「大切なものは目には見えない」