うまい「とんかつ」が、それまで長崎県にはなかった。
長崎県の食堂や、スーパーなどで販売されている、うまいとも、まずいとも言えない「とんかつ」しか食べたことがなかった。「とんかつ」に対する先入観は、それほどおいしくない料理というものでした。
東京の大学生となって、「とんかつ」に対するイメージが激変。それまでにない、うまい「とんかつ」に出会ったから。しかも価格がリーズナブル。
まず、古本の町・神保町(じんぼうちょう)界隈(かいわい)つまり、明治大学・駿河台校舎、日大法学部、専修大学のそばにある「いもや」。
「いもや」は、知る人ぞ知る男の店だったようですが、TVがB級グルメ番組で紹介後、女性客が増え、混むようになりましたよね。
「いもや」は、大盛りを注文しても、ご飯を全部食べたら、通常料金(大盛り代不要)だったから、江戸というか、東京の粋(いき)な感じがします。
旅行や出張では、とんかつの店を見つけては入って食べてみます。しかし、なかなか値段相応の店がないことがわかりました。
また、たいてい、とんかつ屋さんは、どこでも一店舗、とんかつ屋のまわりにとんかつ屋さんはないようです。
さて、このたび、町おこしで、とんかつ屋さんが切磋琢磨する「とんかつ街道」ができたと耳にしたので、クルマで行ってみました。
場所は群馬県沼田市。高速・関越(かんえつ)自動車道沼田インターから。8店舗がとんかつで競ってました。
米と水がいいせいか、味がよかったです。
現在、小・中の地理教科書に掲載されているかどうかはわからないのですが、(ゆとり教育以前には掲載されていた)、沼田市は、地理的に珍しい河岸段丘(かがんだんきゅう)で形成された場所に町がありました。ついでに見学してきました。
河岸段丘のことを、米国ではグランドキャニオンというようです。
米国・カナダ国境にナイアガラの滝があるように、実は、沼田には、めづらしいミニ・ナイアガラというべき滝がありました。正式名称は「吹割の滝」。団体ツアーのバスがひっきりなしと聞いたけれど、やっぱり見たくなって、行ってみました。
海がない群馬と山梨・長野の違いについて、少し書いておきます。
山梨・長野は、土地に恵まれず、食べ物が少なくて、虫をたべる伝統があります。
現在も、東京の長野系居酒屋では虫を出す店があります。食文化が違うのです。一般の旅館やホテルでも、山小屋料理(少ない食材で、制限が多い料理)になっているイメージがあります。
群馬は、食べ物に恵まれ、米・水・酒・野菜・肉も、惜しげなく食べられるような印象。
とんかつ街道のついでに、近くの知る人ぞ知る場所に足を伸ばしてみました。村の人口の数倍の人々が集まる、集客力が強い道の駅にも行ってみました。
人気の川場(かわば)村の道の駅、川場田園プラザにも行って見ました。3000人の村にあるのに、昼間は、3000人以上の人が集まっている場所とのこと。
一般的な道の駅は、大きめのレストランが一つだけ。
一つのレストランで、和食・中華・西洋料理・うどん・そば・ソフトクリームが出てきます。悪くはないのですが、この場合、本物の料理人がいないから、片手間になっているんじゃないんでしょうか?
つまり、よい野菜や食材があっても、素材が良くても、プロの料理人がいないから、素材の良さが引き出されていないのでしょう。だから、一般的な道の駅でも、それほどの料理がないように思います。
ところが、川場村の田園・川場(かわば)は、こじんまりしたレストランが料理別になっていました。
ピザ専門店、そば専門店、ドイツ料理専門店、和食専門店、やきそば専門店…。専門店で、プロが調理しているから、味がいいし、それぞれ料理別のレストランなので、つい何度も行きたくなるようです。