中学生、高校生には理解できない機動警察パトレイバー

問:なぜ高校生レベルだと機動警察パトレイバーが理解できないのですか?

答:大人の世界が描いてあるからです。その意味では、学校から出たことがない教員の方も、似たようなものかもしれません。

10月10日より劇場公開
「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」ディレクターズカット(監督編集)版 予告編
*九州では福岡市の劇場だけで、長崎県では公開されません。

機動警察パトレイバー 押井守(おしい まもる)監督:

今の中高生がこれを見るかというと、難しいんじゃないかな。(中略)

この人達のことがわからないんだと思います、いい人達なのか、どうしようもないただのダメな連中なのか。たとえばアル中だったり、パチンコに狂って女房に逃げられたりと、どこかしら破綻している。他のメンバーも、軍オタ、仕事が終わったらまっすぐゲーセンに行く女の子、鶏にしか興味がない男、タバコばっかり吸って銃剣振り回している女……みんなどこか変です。

それは、最初からそういう人間達の世界にしているからで、「いい」も「悪い」もないし、そういうつもりでは作っていません。そういう人たちがギリギリまで追い詰められたらどうするだろうか、というところに勝負をかけているだけです。

「思ったよりいいヤツだな」と思うか、「自分でもそうする」と共感するか、それは、ある程度生活感のある人間じゃないとわからないんじゃないかと思う。朝起きてごはん食べて学校に行って……という生活しか経験していない中高生だと、この職場の生活感を理解してもらうのは難しいのかもしれない

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映画は知らない世界、知らない職場を垣間見せてあげるという役割がありました。板前の世界を描いたり、医者の世界、ヤクザの世界、悪漢の世界だったり……。それが楽しくて高校生のころにいろんな映画を見に行ったことを、僕は覚えています。

身近な世界のもの、たとえば学園モノとか「夕陽に向かって走れ-!」みたいなスポーツものとかは、僕は大っ嫌いでした(笑)。自分たちの日常を見たいとは思わなかったし、しかも、日常が美化されているのが不愉快でした。リアルに描かれるともっとイヤでした。

この作品の組み立ては、「それなら、まだギャングの世界や科学特捜隊の方がマシ」というところから出発しています。

特車二課は、どちらかといえばウルトラ警備隊に近いけれど、大半はカップ麺食べてるだけ(笑)。

生活してみて、はじめてそういう世界の良さがわかるので、社会人だからこそ、しょうもなさとか、ざらざら感とか、いい加減さとか、そういう人間としてお互い認め合えるし、アル中オヤジに対しては「くせーんだよ、あんた!」って言える。そういう職場がいいのか悪いのかはわからないけれど(笑)、一言で言えば「大人の世界」なんです。

引用元:Gigazine

押井守監督のお父様は、東京大学法学部に入学し、司法試験合格を目指しましたが、合格できませんでした。

当時、司法試験の合格者は毎年たった100名前後(現在は1200名前後合格します)。司法試験に何年も浪人していました。自民党の谷垣禎一(たにがき さだかず)元法務大臣(東京大学法学部卒)は、司法試験15浪でした(20歳から受け始め、合格が35歳)。何度失敗しても立ち上がる再生の男だと言えるでしょう。
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法科大学院がないころの司法試験は、本当に、科挙(かきょ=隋[ずい]王朝から始まった中国の官吏登用試験で、四書五経[詩経、易経、書経、春秋、礼記。大学・中庸・論語・孟子]をはじめたくさんの文章を暗記しなければ合格できなかった)のような試験だと言われていたそうです。
参考文献:科挙ー中国の試験地獄

押井監督のお父様は、合格できなかったため、失意のまま探偵業などをやりながら、家庭をささえた話があります。

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