戦前は、満年齢ではなく数え年(かぞえどし)という年齢基準でした。小学校入学は6歳でしたが、現在の満年齢(誕生日を基準とするもの)ではなく、1月1日になったら、全員が1つ年齢を重ねるというものでした。
つまり、戦前は、実際は1年早く、5歳で小学校入学でした(平均寿命が40代だったという事情もあります。現在の平均寿命は男女ともに80代です)。
さて、今後は、「中学(15歳卒業)→高校(18歳卒業)→大学工学部(22歳卒業)→大学院(2年∴24歳で修士号)」より、「中学→高専→大学院」のほうが2年早く大学院に進学できる制度にする案が出ています。
悪くないと思います。
ツイッターより
1年早く大学院に-自民党の高専改革提言、「高大接続」の制度改革に成功要因の議論も http://t.co/PPB6A0kLZg pic.twitter.com/0gt4ybZZc2
— 日刊工業新聞BusinessLine (@Nikkan_BizLine) 2015, 10月 14
現行の「中学→高校→大学工学部→大学院」の場合、最短でも修士号取得は24歳です。
新しい案だと「中学→高専→大学院」の場合、22歳で修士号を取得できます。
通常の大卒が22歳で学士号(大卒)ですから、今後は高専に進学した場合、学士(大卒)号の年齢で修士号がとれる案です。国際間の競争が激しくなる中、早い年齢で修士を取得した方が、本人にも、日本の産業界にも有利な点が多いですから。
問題点は、中学時代に理科・数学が得意でも、高専入学後に、理数の適性がないとわかった場合。
この方面で有名な人は、当時、最年少で芥川賞を受賞した作家・丸山健二(まるやまけんじ)氏。中学時代に成績が良くて、高専に入学したものの、入学後、理数の適性がまったくないとわかり、高専で苦しみ、二年留年しています。丸山健二エッセイ集(4冊シリーズ)に詳しく書かれています。
参考:15歳を境に、脳の働きが変わるため、勉強法を変えなければいけないことが以下の2冊に書かれています。勉強法を変えることができなかった場合、中学時代に勉強ができても、高校(15歳を超えてから)から、適性がなくなり、成績が落ちていくようです。そのことが書かれた本2冊。
大人向け
高校生向け
日刊工業新聞より
1年早く大学院に-自民党の高専改革提言、「高大接続」の制度改革に成功要因の議論も
産業界から高い評価を受ける高等専門学校(高専)をめぐり、自民党が改革提言をまとめた。提言は、修業年限と学位のあり方の研究や県立工業高校の高専化による高専の全県設置などを盛り込んだ。大学・高校教育を時代の変化や社会の要請に合ったものにする「高大接続」の一環として議論するため、幅広い教育制度改革につながる可能性を持つ。
「現行の(小中高大)6・3・3・4制にこだわる必要さえない」―。自民党文科部会は、議員連盟から出された提言を9月の会合で了承。同部会幹部からはこんな声が出た。改革の具体策として複数のアイデアがある。その一つが、高専教育の種類や内容を大学並みに拡充し、本科の修業年限を5年から6年に延ばすことで、大学卒業生と同じ扱いにする案。これが実現すれば、高校―大学のコースを進んだ場合よりも1年早く大学院に進める。
高専卒業生は就職に困らないにもかかわらず、本科卒業生の約4割が専攻科進学か大学編入を選んでおり、特に都市部は”普通の進学校“になっている。一方で、検討案は大学・大学院を意識した教育になり、「15歳からの早期専門教育」という高専制度とかけ離れる可能性もある。
人口減少と少子高齢化の日本が国際的に存在感を保つためには、教育の充実が欠かせない。制度改革と同時に、そもそも高専の成功要因は何か。高専制度について国民的な周知や議論も必要だ。(米今真一郎)