広島に投下した原爆を移送した、アメリカ第五艦隊の旗艦・巡洋艦インディアナポリス。
原爆チーム1199名が乗る巡洋艦インディアナポリスを一瞬にして沈めたのが、日本の潜水艦「伊号(いごう)五八」。魚雷6発連続発射し、3発命中。科学者以外の原爆チーム約900名が戦死しました。
戦死でしたが、大半が、船から投げ出されて、サメの餌食になり命を落としました。しかし、巡洋艦インディアナポリスの艦長は生き残ったため、戦後、裁判になり、責任を問われました。日本の潜水艦「伊号(いごう)五八」は無傷で生還し、終戦を広島県の呉(くれ)で迎えました。
解説動画
*潜水艦 伊五八は、戦後1年目の昭和21年(1946)4月1日に米軍の手により、長崎県・五島沖に沈められました。
**日本の魚雷は酸素魚雷(さんそぎょらい)といい、発射しても、進行時、泡が出ないため、敵に発見されにくいものでした。その酸素魚雷の発射試験場が、長崎県・川棚町にありました。
*第二次大戦中に日本軍だけが開発に成功した酸素魚雷(さんそぎょらい)とは?
10分13秒から解説されています(10分51秒まで)
大分出身の帝国海軍・木梨鷹一(きなしたかかず)艦長の潜水艦・伊19号は、6発魚雷を発射し、アメリカ海軍の誇る空母ワスプをはじめ、2隻を撃沈、1隻を航行不能にするという戦果。木梨艦長、海軍兵学校(現在の防衛大学校)では、255名中255番の最下位で卒業。学校では成績は悪かったのですが、たった一度の攻撃で、アメリカ海軍の空母、駆逐艦の2隻撃沈、戦艦一隻を航行不能にした戦果により、潜水艦艦長としてはただ一人、天皇陛下の謁見(えっけん)を許されました。
*酸素魚雷とは(2)
***伊58の橋本艦長は、戦後、回顧録を出版されました。当時のことは、この本に詳しく書かれています。
なお、日本の潜水艦イ58と、米巡洋艦インディアナポリスの話をもとに映画が二つ制作されているので紹介しておきます。
映画「ローレライ」
映画「真夏のオリオン」
真夏のオリオン原作本:雷撃深度一九・五
それより5ヶ月前の昭和20年(1945年)3月19日6時57分。
神戸港攻撃の第二次攻撃隊の出撃準備を開始した米空母「フランクリン」に対し、直後の7時8分頃、突如「銀河」もしくは「彗星」と思われる日本海軍機一機が雲を抜け低空で接近し、二発の徹甲(てっこう)弾を投下し1発を命中させました。
日本海軍機は、撃墜され、パイロットは散華されたものの、米空母フランクリンでは724名が戦死となり、神戸港攻撃を食い止めました。特攻ではなく通常攻撃でした。しかも一機の攻撃で、米空母の動きを止めたのですが、このときの日本軍パイロットが誰なのか、現在もわかっていません。
米空母フランクリン攻撃時の本物の動画
銀河、再現動画 2分50秒付近から
中国が空母を進水させ、日本に脅威を与えていますが、歴史上、空母対空母で戦争した経験があるのは日本と米国だけです。人類の歴史上初めてになる空母対空母の戦いは、1942年5月8日の珊瑚(さんご)海 海戦[Battle of the Coral Sea]でした。
・珊瑚海海戦の解説動画
損害は以下。
日本軍
沈没:空母「祥鳳」、駆逐艦 菊月
大破:空母「翔鶴」
喪失:艦載機81機、一式陸上攻撃機、水上偵察機(数機)、九七式飛行艇(数機)米・オーストラリア連合軍
沈没:空母「レキシントン」、油槽船「ネオショー」、駆逐艦「シムス」
中破:空母「ヨークタウン」
喪失:艦載機66機
歴史上、日本がアメリカ軍の空母10隻を撃沈しています。
日本以外では唯一、ドイツ軍が1944年5月29日、東大西洋上で、アメリカ護衛空母「ブロック・アイランド」CVE-21 Block Island を撃沈しています。