*昭和30年代=昭和30年〜昭和39年=1955年〜1964年
たとえば、慶応大学文学部の入試科目に長期間、国語がありませんでした。文学部の入試科目から国語をはずしたら、どうなったのか?慶応から文学者や小説家が出なくなりました。
慶応の商学部は数学が必須でしたが、入試科目に社会がありませんでした。卒業生で、社会をまともに勉強しなかった人は、就職後、国内で商売するだけなら、それでもいいのですが、海外と商売する会社では、相手国の地理歴史をしらなければ、相手国の政治もわからないため、知識的な面で、取引で、不利を被ってきたのでは?
例として、東南アジアなど、国ごとに宗教が違い、英仏オランダなどの植民地になった背景と、取引慣行が違いますから、相手国の理解に、語学以外に、基礎知識として地理歴史が必要なのです。
タイ=仏教
フィリピン=カトリック
インドネシア=イスラム教
理系だと進学する学科と直結しているのでわかりやすいのですが、文系の場合、わかりにくいので、高校時代から大学受験の入試科目を、その後の人生で重要な面があるということを知っておいたほうが良いかもしれません。
早稲田大学政経学部の場合、経済学を理解するには数学が必須なので、入試科目に取り入れたのは当然のことだと思います。
高校では何も指導がありませんが、「この学部に進学した場合に大学進学後、大学卒業後に、高校のこの科目が必要になる」ということを知らせておいたほうが良いのではないかと思います。教育学部出の先生には、実感がなく理解しにくいかもしれませんが。
*例として(正確ではないです);母国語の日本語、外国語の英語以外で必要な科目
**経済学部
経済学部=数学(微分、積分、数列)、地理、歴史(日本史、世界史)
**法学部=物理(公式にあてはめて解くパターンが、法律にあてはめて解くパターンと同じ。高校から物理で法律の訓練ができる)、地理、歴史(日本史、世界史。法律がどのようにしてできたのか歴史の知識が必要。歴史を知るためには地理の知識が必要。また、日本の法律の中には、ローマ法があり、そのことを知るために必要)
新聞記事は、深い考察がなく、入試のことだけ。「入学して必要だ」とのことは突っ込んで書かれていません。内容が浅い記事を鵜呑みにしないように。それに早稲田は国立大学ではありません。私立です。大学が必要だと考えれば、必要な科目を入試に付け加えることは当然なことです。マスコミは騒ぎすぎています。
早稲田はマスコミ就職者が多いです。おそらくこの記事を書いた記者が、数学が苦手で、数学が入試科目だったら、早稲田に不合格だったかもしれないということが背景にあるのでしょうか?
*産経新聞より
2018.6.24 21:13
早大政経、数学必須化の影響は? 理数苦手な志願者離れる/他大学も追随か
私立大最難関とされる早稲田大政治経済学部の一般入試で「数学」が必須化されることになり、大学受験関係者に衝撃が走っている。私大文系学部の定番受験科目「国語」「英語」「地理歴史」などで挑む志願者離れの可能性も指摘される一方、「様子を見た上で追随する大学が出てくるかもしれない」(大手予備校職員)との見方も浮上。早大の改革は私立文系入試の今後を占う試金石にもなりそうだ。
私立文系の最高峰
「政治や経済の分野で統計学の重要性が高まったことを受け、数学を全員に課す」。早大の担当者は6月上旬の記者会見で、入試改革の趣旨をこう説明した。
早大によると、現在の大学入試センター試験から大学入学共通テストに切り替わる平成33年1月を機に、政経学部の一般入試で、外国語、国語、数学I・Aを含めた4科目を課し、共通テストの英語で活用される民間試験、学部独自試験の結果も合わせて合否判定する-としている。
必須の外国語と国語に加え、世界史▽日本史▽数学I・A、同II・B-から1つを選ぶ現行方式からの変更となる。
早大政経は、私立文系志望者にとって「最高峰」とされる象徴的な学部だ。「理数系が苦手な生徒が文系に特化して勉強し、突破を目指すケースが少なくない。数学必須化で志望者は根底から戦略を変えなければならず、インパクトは相当大きい」(早大OB)