2004年06月09日
●福翁自伝
高校3年の時、選択制の必修クラブというものがあり、週に1回、授業中の1時間がそうだった。
この必修クラブで「福沢諭吉(ふくざわゆきち)の福翁自伝(ふくおうじでん)を読む会」という
講座があった。選択した生徒は、普通科1年生から3年生で10数名と、人気がなかった(人気がある講座は50人以上の生徒が集中し、教室に生徒が入りきれないものもあった)。
担当した講師は、九州大学出身で日本史の先生だった。
必修クラブ授業は、高校の授業とは違い、大学の授業「講読演習ゼミ」のような形式で、
一人ずつ順番でパラグラフを音読し、パラグラフごとに、先生が教授のように、コメントと解説を加え、最後に全員で再度、音読し、次のパラグラフに進むというものだった。
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岩波文庫:福翁自伝(ふくおうじでん) <福沢諭吉の自伝>
福沢諭吉(ふくざわ ゆきち):大分県出身、慶應大学の創始者、幕末、大阪・緒方洪庵
(おがた こうあん)が主催したオランダ語の滴塾(てきじゅく)で大村市久原出身の長与専斎
(ながよ せんさい)と同期。
ISBN4-00-331022-5
700円です。
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1年間の授業だったが、3年生は12月で終了。全ページの4割くらい残し、福翁自伝を終えた。
最後の授業で、先生は3年生に向けて、「あとは、自分の力で読みすすめてゆけ、卒業
してもっと大きく、広い世界に飛び込んでゆけ。長崎県みたいな小さな狭い世界で満足
してはダメだぞ」みたいに言われた。
福翁自伝の講座を受講し、中津(大分県)の小さな世界から、大きく広い世界へ出た福沢諭吉のことをふまえたうえで、先生の最後の言葉は説得力があった。
福翁自伝の音読のおかげで、現在も役だっていることは、文章を書くときに、福翁自伝で身に
ついた、古風で格調のあるフレーズが自然に浮かんでくること。ほかに、当時の時代背景が
浮かんでくることで、幕末から明治の歴史が理解できること、仕事で慶應出身者と話をする
場合、話を合わせるのが容易なことなど。
かなり前から「声に出して読む日本語」がブームのようだが、音読と、この先生の授業のおかげで、ずいぶん得をした。
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